【永久保存】白血病が教えてくれた夢の叶え方_vol.8(2020/02/10)
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先日、セカンドオピニオンを受診するために東京の順天堂大学病院まで行ってきました。
セカンドオピニオンは「妊娠が出来る状態かどうか」の判断を仰ぐため。
つまり、「現在飲んでいる薬を妊娠のために一時的に中断し、妊娠にチャレンジするタイミングなのか?その場合どんなリスクがあるのか?」を聞きました。
結論から言うと「今の私の状態なら、妊娠にチャレンジ出来る」と先生が仰ってくれました。
ここから先は、かなり赤裸々な話になってしまうので、私のプライベートに興味がある方だけ読んでください。笑
何故私が、自分の現状と妊娠について赤裸々に綴ろうと思ったかと言うと、先生も言ってたのですが慢性骨髄性白血病を患い、薬を中断して妊娠を望み、その結果がどうなったかの症例自体が世界的に見てもあまり多くないそうです。
実際、ネットで調べて見ても殆どが研究結果みたいな情報しか出てこなくて、個人の体験談などゼロに近く全く参考になりません。
なので、私がブログに残すことで、もしかしたら未来に同じことで悩む誰かの救いになるかもと思いました。
さて、まずは私の病状と病歴から。
vol.1にも書いたとおり、私は25歳の時(2012年)に慢性化骨髄性白血病と診断されました。
それから現在に至るまで、『スプリセル(ダサチニブ)50mg』を毎日2錠服用し続けています。
服用し始めて2.3年間は、副作用(だるさ・眠気・むくみ)に悩まされながらも、薬は劇的に効き(ここで効かない場合は服用数を増やしたり、別の薬に変更するそうです)今では自分が病気だと言うことも忘れてしまうくらい元気に毎日を過ごせています。
西暦2000年頃に私の服用しているような薬がいくつか出始め、慢性化骨髄性白血病を患っても骨髄移植をせずに、薬さえ飲み続ければ8割以上の人が10年以上生きられるようになったそうです。
そんな医療の進歩のおかげもあり、薬さえ飲んでいれば本当に制限されることはほとんどありません。(グレープフルーツが食べられないくらいです)
上の表のとおり、薬を飲み続けることで徐々に白血病細胞の数が減っていくのですが、現在の私は『分子遺伝学的完全寛解(CMR)』(表の一番下)の状態を2年ほど維持しています。
(表は、https://ganclass.jp/kind/cml/therapy/goal.phpからお借りしました。)
この状態を2年以上維持出来ていれば、冒頭のとおり「現在飲んでいる薬を妊娠のために一時的に中断し、妊娠にチャレンジするタイミング」と考えても良いことになります。
25歳の時(発症した時)は、自分が妊娠したいと思う頃までに新薬が登場して完治したいな!なんて考えてました。が、そこまでは及ばすとも十分に可能性を考えられる状況まで来たのです。
それで、高松の主治医の先生から「セカンドオピニオンを受けた方がいい」と提案があって東京に行ってきたわけです。
そもそも、なんで今の薬をやめなきゃいけないかと言うと「胎児が奇形になる可能性が否定できないから」。
(これも冒頭に書いたとおり、世界的に見ても症例が少ないのでなんとも言えない部分らしい)
なので、現在服用している薬(スプリセル)をやめなきゃいけない。
でも、そうすると寛解っていうのは完治とは違うので、薬を辞めて3ヶ月くらいで再発する(白血病細胞がまた増え始めてしまう)可能性が50%だそうです。
だから、胎児に影響がないと分かっている薬(インターフェロン)を代わりに服用してから妊娠する方法になります。
スプリセルほどは効かなくても、インターフェロンで白血病細胞の増加を防ぐそうです。
インターフェロンは、自己注射で投薬するらしく(怖い…笑)もちろん副作用も色々あって(うつ、脱毛、発熱など)でも個人差がすごくあるので、これも一概には言えないらしい。
そして、2週間〜1ヶ月ごとに通院し(現在は3ヶ月ごとの通院で済んでいます)白血病細胞が増えていないかチェックし、万が一インターフェロンで増加が抑えられないようなら、やむなくスプリセルを飲むことも検討したり、出産を断念することもありえる(母体を守るために)、など状況に応じて対応するそうです。
さらに、スプリセルを辞めて、インターフェロンに切り替えたところで自然妊娠というのはすぐにポンと出来るかどうかはわからない。。
だから、インターフェロンに切り替えたら、人工授精をする(自然妊娠よりは確率が高くなるそうです)ことで妊娠を試みることになります。
そんなわけで、こうやって書いてはみたものの、何だか他人事感が満載です。
(東野圭吾作品の中に登場出来そうなストーリー!笑)
私は今年33歳になるのですが、例えばあと2年間スプリセルを飲み続けてからの方が辞めた時の再発率がグーンと低くなるとか、そういうことはないそうで、だったら今の時点でチャレンジ出来るのであれば、した方が良いんじゃないかと思うのです。
これまで書いた副作用とか再発とかほとんどなく出産出来た事例もあるらしいのですが、こればっかりは本当に個人差があるからなんとも言えない。
この「先の見えない怖さ」みたいなものは、どうしようもないんだなと思います。
今本当に、毎日元気に生活が出来ているからこそ、未来がどうなってしまうのかという不安はあります。
でも、セカンドオピニオンの内容としては「(2012年に発症し)8年かけて、やっと妊娠を考えられるスタートラインに立てた!」という意味で希望が持てるものでした。
いつか「妊娠できる日」が来るって信じていたし、代替薬の副作用で自分が思うように動けなくなる可能性もあるとわかっていたので、ふんわり糀家を始めてからの丸4年間、私は出来る限りのことを尽くしてきました。
逆に言えば、全力で仕事だけに夢中になれるリミットがわかっていたからここまで来れたのかもしれません。
ふんわり糀家に出会ってくださった全ての方に感謝し、大好きな仕事を全力で楽しめる今の幸せを噛み締めながら、次の夢(妊娠と出産)を叶えるためのチャレンジが、もう目の前まで来たようです。