褒めること、褒められること(2017/05/08)
最近、改めて自信を持つことができました。何に対してかというと、自分の声。
私、実は自分の声があまり好きじゃなかったんです。通らない声だし、アルトボイスだし。
でも、教室をするようになって結構多くの生徒さんから「先生の声が良い」「見た目ふんわり系なのに、話すと落ち着いてて芯がある、そのギャップがいい」なんて言われるから、やっと自分もこの声を好きになってきました。
今朝も旦那さんに「また生徒さんから声を褒められたよ〜」と報告したら「先生としては落ち着いている声の方がみんな安心するのかもね」と言われ、あぁなるほどねと思いました。
でも、昔は(大学職員だった時代は)声のよく通る先輩がとても羨ましかったです。
高校での進学説明会などで生徒を前に大学のことを話す仕事をしていたのですが、説明会って色々な大学が来るから大きな会場を借りて開催することが多いのです。例えば、さいたまスーパーアリーナとか。そこまでの規模でなくても学校の体育館をブース形式に区切って開催するとかでした。
だから、私の声、全然通らないんですよね。笑
その時「私、学校の先生とかには絶対向いてないなぁ。話すのは好きだけど、40人の生徒の前で毎日話してたら喉がガラガラになっちゃうし・・」と思いました。声の通る先輩は、そもそもトーンが高めでよく響く。私は低めでしっとり話すタイプだから、大人数には向きませんでした。
そんな私、ちゃっかり「先生」になっています。これだから人生って面白いですよね。
大人数ではなく、少人数の料理教室でしっとりとアルトボイスで話していますから、今の仕事は天職です。
最近は「話し方が心地よい」「間の取り方が絶妙で聞きやすい」とも言われるようになりました。
これは、ちょっと意識している部分と、大学職員の仕事での経験が活かされています。
私、昔っから試験勉強をする時、英語の単語や日本史の人名やらを覚える時、よく声に出して覚えてました。
ノートに英語のスペルを書きながら、声に出して読んで耳からも覚えるってやり方です。何度も何度も読んでいるとなんとなく英語の文章がリズムがのって頭に入ってくるんです。
だいぶ古い話ですが、初代ポケモンの151匹を覚える歌も暗記してたし(今でも歌えるかも。笑)、古文を語呂で覚える本も結構暗記してました。
だから、レッスンでBasic講座のテキスト文章を読む時も、もう何度も何度も読んでいるからリズムにのって話している感覚なんです。
生徒さんにとって聞きやすいというのは勿論大事なんですが、リズムに乗って話せている時ってすごく氣持ちが良いんですよね。
そして、間の取り方ですが、これは大学職員時代の経験上、必死にメモをとる高校生がちゃんとメモをとりきってから次の話に進んであげなきゃって意識をしてきたからです。
あと、話すと止まらない人で、ドンドン自分のペースで話進めていっちゃって、質問する隙も相づちをうつ暇もないし、私の話をし始めてもいつの間にかまた相手の話にすり替わってる、、、、そんな経験ありませんか?
私はあります。笑
会話はキャッチボールなので、一方的にボールを投げ続けられては疲れちゃいますよね。投げたり受け止めたりし合うから、会話も関係も深まってゆくのだと思います。
そんな経験から、心地よい間の取り方をする方と出会うと「あぁ、この人の話し方すごくいいなぁ」と人の話し方を観察するようになりました。
その結果が今の私の話し方に繋がってます。
話し方教室みたいなものに行ったわけでもないんですが、何度も同じ文章を読むことの積み重ねと心地よい話し方の観察によって出来上がりました。
それを、褒めてもらえるんだから嬉しいことです。
声を褒めてもらえる女性に自分がなれるなんて夢にも思いませんでした。
自分では氣づかない自分の魅力は、案外周りの人の方が知っているのかもしれません。
日本人はどうしても「褒める」「褒められる」ということに対して謙遜する文化があるから、「褒める」ことにも「褒められる」ことにもあまり慣れていない人が多いですよね。
でも、褒められたら誰だって嬉しい。
褒められたことにより、自分では氣づかなかった自分の魅力を見つけることができるかもしれない。
「かわいい」とか「綺麗」とか「スタイルがいい」とか「痩せてる」とか外見上のことじゃなくて、もっと褒めるべきは内面。
ほんとにね、ふんわり糀家に来てくださる方はみんなそれぞれ違う魅力をもった素敵な方ばかりです。
「字が素敵だなぁ」「声が素敵だなぁ」「芯のある方だなぁ」「考え方が素晴らしいなぁ」「話し方が可愛らしいなぁ」「お料理のアレンジ力がすごいなぁ」「場の空気を盛り上げてくれる方だなぁ」「いつも一生懸命ここで習ったことを復習される熱心な方だなぁ」「個人的にふんわりtimesやブログの感想をくれて、こっちが元氣もらっちゃったなぁ」
人は、人との関わりの中で自分の長所や短所を知るのだけど、自分が勝手に短所だと思っていることでも他人から見たら短所なんかじゃなのかもしれません。
自分が決めつけてきただけで、自分が短所だと思っていたことを人から一度でも褒めてもらえたら、自分を見る目が変わってゆくのだと。
だから私は、自分の声をいいと思えるようになったキッカケをくれた生徒さま達に、「褒める」という行為を通して、その人にしかない魅力を発見するキッカケ作りをしていきたい。
そんなふうに思うのでした。