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【イタリア料理留学_vol.27】イタリアで出会う人たちの思考・言葉・行動について観察したい(2018/07/04)

昨日、クラスメイトと3人で晩ごはんに行ってきました。

19時にお店を予約して、出たのが23時過ぎ。話がどこまでも止まらなくてあっという間に時間が過ぎました。

お店は、『Cucina Ristorante Libreria』という元本屋さんだった場所にあるレストランです。


メンバーは以前ご紹介した超魅力的な58歳Jさんに連れられて料理留学に来たHさん。(右端)

あと、今週からクラスに来た新顔23歳のフレッシュなMちゃん。

Jさんマジで凄い!と思ってたらHさんも凄かった!!!

Hさん、九州出身のすごく優しい感じの人で男性の何十倍もお酒が飲めてバーを経営している女性。

17歳から今に到るまでずっと水商売畑で、高校を1ヶ月で退学させられたから中卒で、24歳の時からひょんなことで自分のお店(バーかクラブ)を持つことになった。

もし、会ったばかりの時にこの話を聞いてたら「え⁉︎」って自分が会ったことのないタイプの人で戸惑ったかもしれないけれど、1ヶ月ずっと一緒にいて、最後の最後にこの話を聞いたもんだから、Hさん自身のバックグラウンドに興味津々。笑

私が見たことのない世界の話を色々と聞かせてくれた。

そんなHさん、27歳の時にC型肝炎が発覚して、薬を飲みつつそれまで通り毎日かなりの量のお酒も飲んでたらしい。でもお店はできなくなって1年間何にもしないで生活してた。

通常、C型肝炎になってインターフェロンという薬を飲むようになったら1ヶ月で10kgほど体重が落ちるはずが、なぜがHさんは7kg太って主治医の先生を驚かせたとか。

また、C型肝炎は基本的に治る病気ではないので、一生付き合っていかねばならないのに、Hさんは1年半で完治したんだって。

もちろん、薬の副作用で髪が抜け落ちたり、鬱っぽくなったり、鬱の症状が出たら一人暮らしは危険なので実家に帰るように言われて、病気の完治とともに地元でお店を再開したんだそう。

それで、彼女曰く、病気になっても自分の大好きなお酒はなんのためらいもなく毎日飲んでたって。

「薬を飲んでるからお酒がダメとかぜーんぜん考えなかった!」って言ってた。

そして、C型肝炎になって鬱っぽくなった時に、それまでの人生ずっと走り続けてきたから、初めて自分の人生を振り返るいいきっかけをもらったんだって。

だからいつも病気のときや、体調が思わしくない時は、何かのサインだって思うようにしてると。

そして、世の中いろいろな健康情報が出回っているけれど、何がいい、あれがいい、というメディアに振り回されたことは一度もないんだって。いずれブームは去るってわかっているからテレビで情報が流れていてもまったく気にならないらしい。

なんでかって彼女のお母さんがそういう健康情報が大好きで、ブームに乗ってもいつも3日で飽きてた姿をずっと見てたかた反面教師的に考えるようになったんだと言ってた。

そして、Hさんの名言。

「私は今までの人生の中で、選択肢が出て来た時いつもいつも楽な方を選んで来たんだ。いつも楽しそうな方、面倒じゃない方に行きたいなって思って、楽な方しか選んだことがない。だって、人生楽しまなくちゃ!いろいろ考えずに自分が楽しいと思うことやろうよ!」


これを聞いた時、衝撃だった。

だってよく「二つの選択肢があるのなら、困難に立ち向かっていくべきだ」みたいな教えが正しいと思ってたから。
(でもこの教えを誰から聞いたかというと誰でもなくて、勝手に自分が作り出した一般論や世間というものからそうすべきだと言われてきたような気がする。そしてそれが当たり前だと思ってた。)

だから、Hさんの言葉を聞いて初めて「楽な方を選んでも人生うまくいくんだよ」って許可をもらった気がする。

自分の観念を取り払うためにこの人と出会わせてくれたんだって、昨日の夜ごはんはこの気づきを得るための時間だった。

いつも神様は凄いギフトを私にくれるな。

あと、Hさんはクラブ経営をしていた時代に出会った色々なお客さんの話も聞かせてくれた。

・500万円ほど入る財布をいつも運転手さんに持たせているお金持ちの人(カード使えよ!っていつもツッコミたかったって言ってた。笑)

・金髪でチャラッチャラの人が実はいくつもの会社を経営する社長で、でも彼自身の所有するビルに入っていったら掃除のおばちゃんに「関係者以外ここには入れないよ!」と注意された。彼自身は計算もできないし、漢字も書けない。でも発想が凄い人だって話とか。

・お金持ちレベルが半端ない人がいるんだけど、いつも彼はひとりぼっちで寂しそうだと。同じくらいお金を持ってる人が周りに誰もいないから友人と呼べる存在もいなくて、自分に近寄ってくる人はみんなお金目的なんじゃないかって疑うようになってしまった。お金持ちは孤独だって話とか。

・高級マンションの27階を買い与えられて、好きなものはなんでも買ってもらえて、働かなくても生活できるような人たち(クラブの先輩)を見てきたけれど、Hさん自身は、やっぱり自分が働き詰で頑張ったご褒美として温泉に行った時に、ジャブ!ってお湯に浸かって「あー!気持ちいい!!!」っていう幸せを感じれるほうが性に合うんだって話とか。

・プロの詐欺師がいて、お店に通ってくれてた超お金持ちの社長さんたちもみんな騙されて、自分自身も持ち金を全部持っていかれたことがあるから、詐欺師かどうかは話し方ですぐわかるようになってしまったとか。


もうねー、昨日は人生の授業だったな。笑

一夜で色々な人の人生を簡潔に見せてもらったような。今までドラマや本の中でしか見たことない世界を現実のストーリーとして聞かせてもらったわけです。

Happyさんがよく言ってるように、今目の前に広がる世界は100%自分が創り出したものなんだって、私たちは見たいものだけを見て生きているんだって、実感しました。

特に、こっちに来てから「お金」ってなんだろう?って考えることが多いです。

というのも、『億男』という本を行きのフライトで読んだことがきっかけなんですがね。

お金ってあればあるだけ幸せなのかな?

お金で買えるものが私は欲しいのかな?

お金で買えないものって何かな?
(→家族、友人、愛情、身体、季節、健康・・・色々と浮かびました。)

お金で買えないものを自分がすでにほとんど持っていることに気づいたら、お金がたくさんあることが幸せなのかな?って、そんな渦の中をぐるぐる彷徨っています。

答えが出ることを決して望んでない。

ただ、私がこの留学をしたいと思った大きな理由は、『イタリアで出会う人たちの思考・言葉・行動について観察したい』ってことだった。

実は料理以上にこっちが知りたかったのね。笑

だからさ、こっちで出会う人たち一人一人となるべく深い話ができるようにして、観察した。

思考・言葉・行動について色々な気づきがあったな。

みんなそれぞれ今まで出会ったことのないほど濃いキャラクターだから、笑える。笑

私もそんな風に思われてたら本望だ。


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